乳がん患者に高麗人参が使えないのはなぜ?

高麗人参は更年期障害の症状を軽くする効果効能がありますが、その一方で乳がん患者が高麗人参を使用することについては避けたほうがよいと考えられています。
どういう理由から乳がん患者は高麗人参が使えないのでしょうか。

エストロゲン様の作用があるジンセノサイド

高麗人参は特有成分にサポニンの一種、ジンセノサイドを含みます。
ジンセノサイドは植物エストロゲンのフィトエストロゲンの一種です。

高麗人参が更年期障害や生理不順を改善するのに有効であるのは、ジンセノサイドが女性ホルモンのエストロゲン様の働きをするためと考えられています。

エストロゲン様作用が乳ガン治療に影響を及ぼす

高麗人参のエストロゲン様の作用は、乳がん治療に影響を与えるため、一般的にホルモン依存性の乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫、乳腺症などの患者は、高麗人参の摂取を避けるべきとされています。

数々の実験から、ジンセノサイドなどのフィトエストロゲンは、乳ガン治療薬のタモキシフェンなどの抗エストロゲン剤の働きを阻止するという結果がでています。

これは高麗人参だけでなく、エストロゲン様の作用を持つローヤルゼリーやプロポリスにもあてはまります。

抗がん力と高麗人参

高麗人参のジンセノサイドは免疫力を向上し代謝を高める効果があります。
また強い抗酸化作用があり、がんの抑制にも効果があると考えられています。

最近の研究によると、乳がんの増殖を抑える効果もあるという報告がされています。
しかしこの研究結果においては賛否両論があり、多くの議論がなされており、今現在、乳がん患者が高麗人参を摂取するべきではないという意見が一般的です。
今後、この分野においての結論が出ることが待たれます。

高麗人参を控えるのは

高麗人参の摂取を控えるのはホルモン依存性の乳がんなどのほか、高血圧症、ワーファリンを服用中 、妊娠中、授乳中、急性炎症性疾患、急性気管支炎、臓器移植後、 ウコギ科植物にアレルギーのある人、乳幼児 などです。

高麗人参は正しく使うことが大切

高麗人参は副作用もなく安全で、疲労回復をはじめ数多くの効果効能があります。

昔は高価でしたが、今では価格も手頃な商品がインターネットやドラッグストアで誰でも簡単に手に入れることができます。

高麗人参は正しく使用しなければ、逆効果になることもあります。
気になることがあれば自己判断で摂取することは避け、薬剤師や専門家、または医師に相談し、判断をすることが大切です。
これは高麗人参に限らず、すべての健康食品やサプリメント摂取時の共通の注意点ですので忘れずにおきましょう。
高麗人参は、正しく使えば優れた効果効能が期待されます。
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