高麗人参の原産国はどこ?

高麗人参は朝鮮人参とも御種人参とも呼ばれますが、原産国を問われると、朝鮮半島では?と答える人が多いです。
漢方にも使われてきた歴史を考えると、中国も原産国のひとつと推測できます。
しかし日本やアメリカ、カナダ、ロシアでも生産されていることはあまり知られていないようです。

高麗人参が自生する地域

高麗人参は限られた地域でのみ自生する植物です。
涼しくて乾燥した地方で、雪のあまり降らない地域で育ちます。
北朝鮮と中国の国境、白頭山の裾野に野生の高麗人参が自生しています。
昔は白頭山の周りの密林一帯からロシア沿海まで広く自生していたといわれます。

自生の高麗人参と栽培されたものでは含まれるサポニンの数に違いがあり、自生の高麗人参の薬効は栽培のものより優れているといわれていますが、そのあたりについては、はまだはっきりと解明されていません。

野生の高麗人参は長年にわたる乱獲により数が減り、採取も困難を極めるため、年数や形状により価格差がありますが、高価なものは1本で数百万円するものもあるといわれます。
現在、市場に出回っているのはほとんどが栽培された高麗人参です。

高麗人参の産地

海外の産地

高麗人参の現在の産地は、韓国の忠清南道錦山郡、仁川広域市江華郡、豊城、北朝鮮南部の開城市、中国の長白山(白頭山)、そしてアメリカ、ロシア、カナダでも栽培されています。

国内の産地

国内で高麗人参は自生しておらず、はじめて栽培に成功したのが江戸時代、徳川吉宗の時代です。
現在の国内の高麗人参の産地は福島県会津地方、長野県東信地方、島根県松江市大根島です。

国内産の現状

高麗人参は国内でも栽培されていますが、現在、市場で流通しているものはほとんどが外国産のものです。
高麗人参の栽培は困難で、4〜6年もの長期間を要すうえ、一度高麗人参を育てた土壌は栄養分が残らず、その後10年間は高麗人参を栽培することができなくなります。
気候条件さえ合えば、基本的にはどこでも栽培は可能ですが、コストが高くつくうえ、円高などの影響もあり、国産の高麗人参は生産量が限られ、価格も高価なのが現状です。

産地により違いのある高麗人参

高麗人参には、特有成分のジンセノサイドと呼ばれるサポニンが含まれることにより、数々の効能が認められます。
高麗人参の栽培期間が6年で、紅参という加工方法が施されたものが最も薬効が強いとされています。

中国産の紅参はサポニンが15種類、日本産は8種類、韓国産には32種類含まれています。
同じ方法で加工されてもこのように、産地によりサポニンの種類と数が違ってきます。

国産の高麗人参のメリットは、やはり安全性が高いことです。
高麗人参に限らず、輸入品の安全性に不安を覚える人は少なくありません。
外国産のものでも安全性の高い製品は多く出回っています。
輸入品を購入する場合は、事前にネットで調べるなどして、信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。
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