高麗人参とは

漢方薬を飲んだことのない人でも、高麗人参という名前は聞いたことがあると思います。
漢方薬だけでなく、近年ではサプリメントとしても販売されています。
高麗人参は非常に長い歴史を持ち、朝鮮半島、中国、そして日本でもその薬効が高い評価を得ています。

高麗人参はウコギ科の植物

高麗人参は、日本では御種人参とも呼ばれるウコギ科の多年草です。
人参と呼ばれるため混乱しがちですが、野菜の人参はセリ科で、全く別の種類の植物です。

ウコギ科の植物には食用になるウド、タラノキ、コシアブラ、鷹の爪、ウコギ、庭木や観葉植物のヤツデ、カクレミノ、シェフレラ 、そして高麗人参などの薬用、食用になる植物があります。

高麗人参の名前

高麗人参は元来、人参と呼ばれていましたが、江戸時代に入り、野菜の人参が登場するようになると、区別するために朝鮮人参と呼ばれるようになりました。
戦後は韓国に配慮し、薬用人参と呼ぶように決めますが、薬用という言葉は薬事法に引っかかるため、高麗人参という呼び名に変更されました。

高麗人参の原産地

現在、販売されている高麗人参のほとんどは中国、韓国で栽培されたものです。
高麗人参は中国の東北部から朝鮮半島、ロシア沿海州にかけて自生しています。
自生しているものは採集が難しく、非常に高額で販売されます。
日本では江戸時代に栽培に成功して以来、改良も進み、現在では福島県会津地方、長野県東信地方、島根県松江地方が産地になっています。

高麗人参の3つの加工法

高麗人参は 4〜6年かけて栽培したものを、水参、白参、紅参の3つの方法で加工し使用します。
最も価値が高いのは紅参です。

水参は収穫したばかりの生の人参です。
主に加工品の原料として使用されます。
水分量が多いため、保存が難しいという問題があります。

白参は乾燥させ、水分量を12%以下に抑えたものです。
皮を剥がしたものは栄養価で紅参よりも劣ります。

紅参は皮を剥がさずに蒸し、 紅色になるまで自然乾燥させ加工したものです。
乾燥の過程で、高麗人参の有効成分が増えるため、3つの中で最も高級品です。
水分は14%以下に抑えられ、長期保存が可能です。
紅参 は昔から受け継がれてきた加工方法で処理されます。

高麗人参の効果

高麗人参は医薬品と健康食品の両方で使用されています。
高麗人参の薬用に使われる部分は根です。
高麗人参 にはジンセノサイドと呼ばれる特有成分が含まれています。
ジンセノサイドはサポニンというステロイドの一種で、抗酸化作用が強い成分です。
従って、血行促進、抗炎症作用、冷え性の改善、生活習慣病の予防と改善、自律神経の安定、健胃強壮などに効果があります。

副作用

高麗人参の副作用で報告されているのは下痢、興奮、不眠、高血圧などがあります。
これらの症状が出た場合は服用を中止します。
また血栓症を患っている人や、怪我などで出血した時、あるいは高血圧の人は服用を見合わせるべきとされています。

高麗人参の利用方法

高麗人参は水で煎じて飲む方法が最も効果があり一般的に行われています。
高麗人参と一緒になつめとショウガをお湯で煮出します。
食前の空腹時に少しずつ飲むようにすると効果的です。

水で煎じる以外にも、お酒やハチミツに漬けるという方法もあります。
生の高麗人参が入手できれば料理に混ぜて使ったり、天ぷらなどにすることもできます。

昔から変わらず重宝されてきた高麗人参

高麗人参は、大昔からその薬効が知られ利用されてきました。
高麗人参の特有成分のジンセノサイドは美容と健康に老若男女を問わず効果があります。
近年では利用しやすいようにサプリメントやドリンク剤、石鹸にも配合されています。
高麗人参は今後共変わらない人気で、増々、人々の美容と健康増進に貢献していくことでしょう。
Columnおすすめの関連コラム
トップに戻る