高麗人参とエゾウコギの違い

漢方薬などでお馴染みの高麗人参は広く知られ親しまれています。
ではエゾウコギはどうでしょうか? あまり耳にすることのない名前ですが、高麗人参と共通することや違いが色々とある植物です。

高麗人参とは?

高麗人参は御種人参とも呼ばれるウコギ科の多年草です。
中国の東北部から朝鮮半島にかけてとロシアの沿海の州に自生しています。
野菜の人参とは別の種類の植物です。
現在では中国、朝鮮半島、アメリカ、ロシア、カナダで栽培されています。
国内では福島県会津地方、長野県東信地方、島根県松江地方が産地です。

エゾウコギとは?

エゾウコギはウコギ科の高さ2〜3メートルの落葉灌木のハーブです。
北海道に自生するところから、蝦夷の五加(ウコギ)と呼ばれます。
海外では中国やロシアのシベリア、樺太などの寒い地域に自生します。
シベリア人参とも呼ばれます。

高麗人参とエゾウコギはアダプトゲンの一種

高麗人参とエゾウコギはどちらもアダプトゲンの一種です。
アダプトゲンとはストレスに抵抗する能力を強める働きのある物質のことです。
高麗人参とエゾウコギはどちらもアダプトゲンなので、その効果は似たものがあります。
高麗人参に比べ、エゾウコギの方が刺激が低いため、高麗人参が合わない人でもエゾウコギは使用できるケースがあります。

効果効能の違い

高麗人参の効果効能

高麗人参は有効成分のサポニン群、ジンセノサイドが根の部分に多く含まれています。
ジンセノサイドは約30種類もの成分が集まっています。

ジンセノサイドは抗酸化作用が強く、老化防止、血行促進、抗炎症、生活習慣病の予防と改善、疲労回復、滋養強壮、冷え性改善、自律神経の安定、ストレスの軽減、胃腸の強壮、記憶力向上、免疫強化、更年期障害の軽減などの働きがあります。
健康効果だけでなく、美肌、美髪、育毛など、美容効果も期待できます。

エゾウコギの効果効能

エゾウコギは根、茎、枝、葉など、ほとんどの部分に多くの有効成分が含まれています。
主な成分は、リグナン系の化合物群である7種類のエレウテレサイド、クマリン化合物のイソフラキシジン、フラボノイドのクロロゲン酸、タンニンの一種のジカフェオイルキナ酸があります。

エレウテレサイドは滋養強壮、抗ストレス、胃潰瘍防止、免疫力強化、身体機能の強化、ウイルスに対する抵抗力強化、脳の活性化などの効果があります。

摂取の仕方は?

高麗人参は水で煎じて飲む方法が一般的です。
もっと手軽に摂取したい場合は、サプリメントやドリンク剤に配合されています。

エゾウコギも錠剤やカプセル、粉末、ドリンク剤として入手可能です。

高麗人参、エゾウコギ、どちらも即効性は期待できないので、ある程度、継続して摂取すると効果的です。

それぞれの副作用と摂取上の注意点は?

高麗人参は副作用として、興奮、高血圧、下痢、不眠などが起こるケースが報告されています。
このような症状が現れた場合は摂取を中止します。
血栓症、怪我で出血している時や、高血圧症の人は摂取を控えます。
処方薬を服用している場合は、事前に医師に相談しましょう。

エゾウコギはまれに下痢、眠気、不安、筋肉の痙攣、心拍数の変化などが起こるケースが報告されています。
沢山摂取すると血圧が上がることがあり、高血圧の人は注意が必要です。
そのほかにも、心臓病がある人、乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症などホルモンに関係する病気の人は摂取を控えます。

血糖値に影響が出る場合もあり、糖尿病の方は要注意です。
エゾウコギは多くの医薬品と相互作用があり、服用中の薬がある場合は、事前に医師の指示を仰ぎます。

高麗人参とエゾウコギの違い〜まとめ

有効成分の違い

高麗人参の有効成分はサポニン群のジンセノサイドです。

エゾウコギの有効成分はリグナン系化合物群のエレウテレサイドです。

効果効能の違い

高麗人参は老化防止、疲労回復、血行促進、生活習慣病の予防、記憶力向上、免疫機能向上、胃腸の強壮、更年期障害の軽減、ストレス軽減、美肌、育毛などの効果効能があります。

エゾウコギは滋養強壮、抗ストレス、胃潰瘍防止、免疫力強化、身体機能の強化、ウイルスに対する抵抗力強化、脳の活性化の効果効能があります。

副作用や注意点の違い

高麗人参は副作用として、興奮、高血圧、下痢、不眠などが起こるケースが報告されています。

エゾウコギは下痢、眠気、不安、筋肉の痙攣、心拍数の変化などが起こるケースが報告されています。

高麗人参は血栓症、怪我で出血している時、高血圧症の場合は服用を控えます。

エゾウコギは高血圧の人、糖尿病の人、躁病などの精神疾患のある人は慎重に使用する必要があり、心臓病と乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症などホルモンに関係する病気の人は摂取を控えます。
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